2つの国の間の貿易で、支払いが行われるとき、一方の国は、もう一方の国で売った全製品円の売上をまとめて、自国の通貨に両替します。このとき、この2つの国の通貨の交換を行うために一方の国の通貨を、他方の国の通貨の「いくら」に対応させるのかを決めるのが、「外国為替市場」です。この外国為替市場で決まった両国間の通貨の交換レートのことを「為替レート」と呼びます。例えば、2019年の7月だと、米国の1ドルは、日本円の108円ぐらいに対応しています。日本円の対ドル「為替レートが上がる」と、1ドルに対応する「日本円の価値が上がり」、米国市場での1ドルの売上に対して、日本企業が受け取る円での売上高は下がります。また、日本での生産価格が同じでも、それをドルに変換した場合、米国市場での製品価格は、日本円が高い分、高くなります。このように一方の国での貿易収支の赤字がつづくと、為替市場での2国間の為替レートは、赤字国側の通貨の為替レートを低くして、その通貨の価値を下げることで、結果的に両国間のバランスが保たれるようになります。これを為替レートの適正化と言います。実際に、1970年代に1ドルは、300円、280円と少しずつ安くなってゆきました。
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